群馬へ行きました その② (竹久夢二伊香保記念館)
2023.3.19 日曜日
今日の高崎での用事は午後2時からなので、午前中は時間があります。
まずはゆっくり朝食をいただきました。
今回の高崎の宿泊先は「高崎アーバンホテル」。JR高崎駅からデッキで直結徒歩1分の便利な立地です。宿泊料金は通常のビジネスホテルなのですが、フロントの方の対応も良く、アメニティもお部屋にすべて用意されていて、ゆったり寛げるホテルでした。
朝食はバイキングの品数も多く、スタッフさんが細かくチェックして歩いてすぐに品物を補充されるので食べたいものが存分に食べられました。また、食べ終わった食器も下げに来てくださるので、シティホテルの気分が味わえます。自分で返却棚へ持っていくビジネスホテルに慣れている私、1泊目の朝は返却場所を探してウロウロしてしまいました(^_^;)
お腹が満たされたところで、伊香保へ出発です。
伊香保の「竹久夢二伊香保記念館」を観に行きます。伊香保の温泉街中心部まで足を伸ばしたいと思ったのですが、時間的に難しそう。今回はピンポイントで温泉街の入り口にある竹久夢二記念館見学だけにすることにしました。
高崎駅からJR上越線に乗って25分で渋川駅へ。そこから20分程路線バスに乗ればもう伊香保温泉の入り口見晴下に到着しました。
明日20日(月)を休めば4連休なので、バスは観光客でほぼ満席でした。
バスを降りて、緩い坂道をバスで来たほうへ少しだけ戻った左側に、竹久夢二伊香保記念館の入り口があります。
こちらは公益財団法人が40年程前から運営されている美術館で、伊香保に残された夢二の作品や資料1万6千有余点を所蔵されているそうです。
明治17年岡山県生まれの竹久夢二。おもに大正時代に日本画、油絵、水彩画、木版画、日用品のデザイン、楽譜の装丁、雑誌や挿絵、和歌や俳句、詩など多岐にわたるジャンルの作品を残した芸術家です。
独自性にとみ、高い芸術性を保つその作品は、温かみと、一度見たら忘れられない、ずっと見ていたい魅力に溢れています。時間が許せば一日中でも滞在して見ていたいと思うような、夥しい(本当にこの表現がぴったりだとおもいます)数の味わい深い作品が展示されていました。退館の際には高揚感とともに(すごいものを観た。疲れた…)という軽い疲労を覚えたほどです。
夢二の美術館は、東京や生家のある岡山にもあるのですが、なぜいっけん夢二と関係のなさそうな群馬県の伊香保にこのようなコレクションがあるのか?不思議でしたが、館内にそれに関するエピソードの案内がありました。
明治44年、最初の画集を出した2年後に伊香保在住の少女からもらったファンレターから伊香保という町の存在を知り、ファンレターに返事を出したそうです。数年後、実際に訪れて伊香保や榛名を巡り、その後も足繁く通うようになるうちに豊かな自然と温かい人情に心癒やされ、この地を愛するようになったとのこと。このような縁でこちらに研究家の方々がコレクションを集められたそうです。
このファンレターへの返信も館内に展示されていました。優しい人柄が忍ばれる洒落た文面と筆致でした。
筆まめであるとともに、恋多き男性でもあったそうです。でも、多くの女性との関係の中で、生涯愛しぬいた唯一の女性彦乃を題材にした絵は、やはり放っているオーラが他とは違うようにも感じました。
夢二についてはもっともっと知りたいですし作品をたくさん観たいと思います。
夢二に強い興味を持ったのは、数年前に、夢二と同時代に活躍していたチェコの画家アルフォンス・ミュシャの展覧会を観てミュシャのことを調べていくうちに、ミュシャと夢二、二人には共通の思考があるように感じたことからです。
夢二は「美術・芸術は生活と結びつけて、はじめてその価値が生ずる。」と終生考えていたそうですが、ミュシャも自分の能力を多くの人のために役立てることはなにかを考えて、大作「スラブ叙事詩」を製作し民族の歴史を残すことで文化に貢献したいと考えたそうです。
また、シャンパンのラベルなど生活に密着した作品を多数生み出したイラストレーターとしてのミュシャの活躍も夢二と共通していますよね。
夢二の代表作のひとつ「黒船屋」も、この美術館が所蔵していて、夢二の誕生月の9月に2週間だけ予約制で公開されるそうです。く〜、9月にまた高崎の用事、入らないかな〜。
ずっと観ていたいけれど、高崎に戻る時間です。
バスに乗って渋川駅に戻りましたが、なんとJRの電車が1時間近く無い時間帯(;_;)
高崎の用事には間に合うので、諦めて駅のコンビニで買った豚まんを食べてのんびりしていました。夢二からの豚まん…(^_^;)
無事、高崎へ戻ってきました。あー、いい時間でした。午後からの用事もはりきって行けそうです✌