佐賀旅行                              (佐賀市〜嬉野〜武雄〜有田〜伊万里〜呼子〜唐津) 1日目

2023.2.7 月曜日 〜 2023.2.9 水曜日

 佐賀県に行ってきました。歴史と美味しいものと人の温かさがあふれる魅力的な県でした。訪れた主な目的は、磁器と名護屋城跡と佐賀牛だったのですが、他にも見どころがいっぱい。

 仕事の休暇が取れる範囲での強行スケジュールの旅でしたが、行って本当によかったです。

 

 2023.2.7(月) 佐賀市→嬉野→武雄泊

 東海道・山陽新幹線で10時11分博多着。

急いで10時19分発の特急かささぎ103号に乗り換え、10時58分佐賀駅に到着

しました。

 

西九州新幹線の開業に合わせ新しく導入された特急かささぎ号。

 

 

美しい車体。
 車内もシックでキレイ♡ でも、あれれ?ガラガラで(^_^;) 平日の午前中だからかな?       大変くつろげました。

 

 佐賀駅から13時34分発のリレーかもめに乗車する予定だったので、佐賀市内の滞在可能時間は2時間30分。レンタサイクル?とも考えたのですが生憎の小雨予報。徒歩とバスを利用していそいで市内を巡りました。 

  佐賀駅に到着。      落ち着いた駅前。     駅なかのお土産屋さん。便利。


 まずはお昼ごはんを(^^)。佐賀グルメ情報でよく見かけるシシリアンライスを食べることにしました。佐賀市内のたくさんのお店で提供されているようですが、そのなかから駅から徒歩で10分弱のミール珈屋凪(こやなぎ)さんに向かいました。

ミール珈屋凪(こやなぎ)。 レトロな店内。 壁にはバルーンフェスティバルのポスターが。


 平日の11時30分、ランチタイム直前に到着しましたのでまだお席に余裕がありましたが、その後続々とお客さんが来られ、12時過ぎには7.8テーブルはある1階はほぼ満席で2階に上がっていかれる方もありました。2階席もあるのかな?

喫煙可が気がかりでしたが、周りで吸っておられる方もなく、ニオイは全く気になりませんでした。

シシリアンライスとヒデシマライスを注文しました。  食後のアイスティーもたっぷり。

 ごはんに甘辛い味付けの牛肉と温泉卵、野菜サラダがたっぷり乗ったシシリアンライス。ヒデシマライスは卵でくるまれたハム入り炒めご飯にカレーがかかっていました。

どちらも作れそうで絶対作れないプロの味。更にどちらもボリュームがすごい。初めて食べましたが美味しくて満腹で大満足でした。

ちなみに周りのお席のサラリーマンなど地元の方々は、ヒデシマライスかオムライスを注文されている方が大半でした。卵をボールでほぐすリズミカルな音が厨房からずーっと聞こえていました。手作りの味、ごちそうさまでした。

 

 お店を出て、さあ観光。まずは大隈重信記念館方面へ行きたかったのですが、徒歩では厳しそう…とりあえず駅に戻ってタクシーにでも乗ろうかと歩き出しました。

街中の[佐賀の七賢人]の像       ご一緒したくなりますよね(^_^;)

 駅に近い道路は広い歩道も整備され、歩くのも快適でした。途中[佐賀の七賢人]の像に出会ったりしながら歩いていると、前方から路線バスが。「ああ、バスという手もあるんだね。」と走行中のバスを軽く指さしたところ、なんと、運転手さんが車外向けのマイクで「お乗りになりますかぁ?」 と呼びかけてくださったのです。

リュックサック背負ってキョロキョロしながら歩いている、見るからに観光客の私たちに、なんて優しいお気遣いでしょう。もしかしたら佐賀市の方には普通の光景なのかも知れませんが、関西在住〇〇年、こんなご親切な路線バスにお出会いしたことはありません。とても嬉しくなってしまいました。

どちら方面へのバスかわからなかったのでとりあえずお断りして、駅に戻り、もうバスに乗せていただくしかない!と思って大隈重信記念館行きのバスを探しました。

 

 整備されたバスターミナル、わかりやすい案内板。本数もそこそこあり、あまり待つこともなく乗車できました。

 そして、このバスの運転手さんがまたまたビックリでした。比較的ご年配の運転手さんでしたが、運行中「ご乗車ありがとうございます」から始まって、今日の天候のお話、道路の混雑状況、この先の運行状況予測、今佐賀のバス会社共同で行っているキャンペーンのお話などを、マイクで楽しげにずーっとご案内し続けてくださるのです。もちろん運転はスムーズです。

しまいには、乗客の女子学生さんたちに「あれ、今日学校は?早いね」とマイクで話しかけられ、学生さんたちも「試験でーす」「ああ、期末?」「いえ、入試でーす。キャハハ」とやりとりをされているのです。皆さんなんか楽しそう。バスに乗って良かったな。

そうこうするうちに大隈重信記念館前に着き、運転手さんにお礼を言って降車しました。

案内板。見やすくわかりやすい。   面白バス車内。      着きました!

 

 大隈重信記念館は、バス停から徒歩5分程の住宅街の中にあったのですが、バス道からの入り口がわかりにくく少しウロウロしました。

 記念館は昭和42年に開館し、建物は国の登録有形文化財に指定されています。大隈家などから寄贈された品々や資料が展示公開されており、また敷地内には、大隈重信生家が修復保存されています。入館料は大人330円。

 佐賀出身の大隈重信は、内閣総理大臣を2度務められ、鉄道の敷設、円制度の創設、郵便事業太陽暦の採用、早稲田大学の創設など、日本の近代化の歴史を語る上では欠かすことのできない明治・大正期の偉人。

「人生五訓」で知られる母三井子さんが設けた生家2階の勉強部屋を見学できなかったことは残念でしたが、明治・大正きっての傑物が生まれ育った場所の空気を感じて気持ちが引き締まりました。



 大隈重信記念館を出た後、10分余り歩いて佐賀城跡へ。心配していた雨も降らず、寒くもなく道もわかりやすくスムーズな移動でした。

 佐賀城は慶長16年(1611年)に完成した鍋島36万石の居城。四重五階構造の天守閣を有していたとのことですが、度重なる火災や明治7年の佐賀の役によって、建物の多くは焼失・破壊され、現在は本丸の門(鯱の門)と続櫓と石垣を残すのみとなっています。

佐賀城公園内には博物館や美術館もあって、いい季節には絶好の散策場所だろうなと思いました。

             10代藩主鍋島直正公像    本丸の門(鯱の門)
   美しい石垣         直正公は日本で最初に鉄製大砲を作られたそうです。

 

 しかし、もうこのときすでに13時10分過ぎ。まずい!13時34分発のリレーかもめって乗れるの?と慌ててタクシーを探すも空車は来ず、とりあえず駅と思われる方向へ歩いていくとバス停が。焦りながら案内板を見ていると早速1台バスが到着しました。

もう、行き先を確認している間もないので、乗車口から運転席に向かって、「さがえきいきますかあああ??」と叫んだら、「いきますよ!!!(^_-)-☆」と元気なお返事をいただきました。佐賀の運転手さんは皆さんいい方ばかり、安心して乗り込むことができました。

 佐賀駅にはギリギリ7分前に到着。バスターミナルから走りに走って(周りの方ご迷惑おかけしていましたら本当に申し訳ありませんでした。)なんとかリレーかもめに乗ることができました。

  バスの車窓から県庁。     歩いていて見つけたマンホール。有明海とムツゴロウ。

 

 もっとゆっくり回るべきだった佐賀市に別れを告げ、次は嬉野温泉へ。今日の宿泊は手前の武雄温泉なのですが、一旦武雄を通り越して、先に嬉野温泉へ見学にだけ行ってきます。

   リレーかもめで佐賀から武雄温泉駅まで。       こちらはチラホラ乗客も。
武雄温泉駅で西九州新幹線かもめ号に乗り換え、5分で嬉野温泉

 

 嬉野温泉駅は新幹線の開業で新設された駅ですからとてもキレイ。ただ駅前は、ホテルも建設中だったりガラーンとしていて整備はこれからかなという感じでした。

バスも見当たらなかったので2キロくらい先の温泉街までタクシーに乗りました。1,000円弱だったと思います。

一番賑やかなところで降ろしてくださいとお願いしたはずなのですが、あれ?人気(ひとけ)があまりない…。旅館も見かけないし、あたりを散策するとお土産物屋さんや飲食店はあるのですが、休憩中なのか閉業なのかなぜか閉まっているところが多く、予想していた温泉街のイメージと違う…。月曜日の午後2時半だもの、こんなもんかな?と思いながら、公園の足湯にだけ入って、駅まで歩いて戻ることにしました。

シーボルトの湯 地元の方が続々と入っていかれました。               

 

 でも、駅まで歩く途中で見つけたお店がとてもよかったです。

 まずは、嬉野茶のお店。中山製茶舗さん。女性のお店の方お二人がとても丁寧にお茶の葉の説明をしてくださって、美味しいお茶を試飲させていただきました。

買って帰って自宅で淹れたお茶もとても美味しかったです。とてもお薦めのお店です。

美味しいお茶を試飲させていただきました。 抹茶オレはサービスでいただきました。

 

 次は、末廣屋菓子舗さん。「ひき茶ふりあん」というお菓子を購入しました。

きれいな緑色、お茶の香りの四角いフィナンシェのようなお菓子。中身はしっとり、端はサクサクでとても美味しく、皇室に献上されたこともあるそうです。

お試しなので少ししか買わなかったのに、ご主人が大変丁寧に対応してくださいました。

中山製茶舗さんと同じ道の更に駅寄りにあります。

 

 そして番外編は、購入はしていないのですが、駅までの道中にあったスーパーで見つけたもの。旅行に行くといつもご当地の珍しいものを求めて地元のスーパーに入ってみるのですが、今回も発見がありました。

 

佐賀県小城市発祥のブラックモンブラン       温泉とうふ調理水

 ブラックモンブラン佐賀県の会社が作られたアイスとは存じませんでした。しかもすでに50年以上の歴史があるとのこと。おいしいから続いているのですね。

そして、初めて見たのが「温泉とうふ調理水」! このスーパーでは1袋39円で販売されていました。この水でお豆腐を煮るとお湯が白濁してトロトロの温泉湯豆腐になるとのこと。こちらでは一般的なのか複数のメーカーの商品がたくさん積み上げられていました。

食べてみたい!!嬉野温泉街では湯豆腐のお店閉まっていて食べぞこなったし、と思ったのですが、どう考えても冷蔵状態を保って家まで持って帰ることは困難なので、迷いましたが購入を断念しました。

 

 ブラブラあちこち見たり買ったりしながら歩くこと1時間。嬉野温泉駅に戻ってきました。

16時07分発の新幹線かもめ40号に6分間だけ乗って武雄温泉駅に向かいます。6分で運賃・自由席特急券合計1,150円。新幹線以外の公共交通手段がない区間なので仕方ないですね。でも、嬉野温泉駅の新幹線券売機が現金以外使えなかったのはどうなんでしょう???もっと遠くに行く場合も現金だけなんですね。なにかご事情がおありなのでしょうがせめて交通系ICカードは使える設定にしていただけるといいなと思いました。

歩いて戻った嬉野温泉駅遠景。きっとこれから発展。    新幹線で到着。武雄温泉駅。  

 

 16時13分武雄温泉駅に到着。宿泊は、駅前徒歩1分の「セントラルホテル武雄温泉駅前」を予約しておきましたのでそのままチェックイン。ビジネスホテルですが、リニューアルされて数年とのことで施設はキレイ、露天風呂付き天然温泉の大浴場もあり、無料朝食も十分な品数で、寝るだけには充分満足なホテルでした。

 

 ビジネスの方で混み合っていました。      部屋からみえた特徴的な形の御船山。


 部屋に荷物を置いて、すぐ武雄市内の散策に出かけました。

駅から西北西の方向に歩いて10分ほどで、坂道の頂上に武雄温泉楼門が見えてきました。手前は徐々に上り坂、温泉客向けの昔ながらのスナックが並ぶ通りがあったり、道沿いに温泉旅館も数軒あったりして、温泉地の風情に気分が上がります。

武雄温泉楼門は、大正4年建築。設計は東京駅赤レンガ駅舎の設計者として有名な佐賀県唐津市出身で近代建築の父とも呼ばれる辰野金吾によるものだそうです。

楼門の奥には、楼門と同じく国指定重要文化財の武雄温泉新館と、一般の人が入れる入浴施設があって、ウィークデイの夕方ですが駐車場がいっぱいになるほど賑わっていました。

新館。駐車場満車。          内側から。灯が入って幻想的で美しい。

 

 17時30分。入浴はせず、迫ってくる夕闇に焦りながら武雄神社に向けて歩きだしました。大きな幹線道路沿いの歩道を歩くこと20分弱。武雄神社にたどり着きました。途中、道が正しいのか心配になって、すれ違った女子高校生さん3人組にお尋ねしたところ、大変感じよく「あの横断歩道の右側が神社の入り口です」と教えてくださいました。ありがとうございます。

 

 武雄神社は、武内宿禰(たけうちのすくね)を主祭神とし、天平3年(735年)創建の御船山の山麓にある神社。神社のHPによると、神功皇后三韓征伐の帰途、武雄に兵船を停めそれが御船山に化した。そこで同行していた武内宿禰らが御船山に鎮座し創祀されたとのこと。ホテルの部屋から見えていた特徴的な形の山が御船山だったのですね。

そして、有名なのが神社内にある武雄の大楠。推定年3,000年とも言われるこの御神木を一度拝見したいと思ってやってきました。

本殿にお参りしたあと、案内表示に従って本殿左の上り下りのある道を進むこと3分あまり。時間が遅すぎたこともあって薄暮のなか、言い表し難い押しつぶされそうな空気を感じながら歩いた先の、右手少し高くなったところに大楠がありました。

規制されていてそばに近づくことはできませんが、高さ30㍍、幹回り20㍍という御神木からは、得も言われぬ神聖な力が放たれているようでした。お参りをさせていただき、来た道を戻ってきました。

        本殿に至る道。城のような石垣。     本殿

 

 

 神社を出ると18時を回っていました。今日最後の目的地、武雄市図書館へ。

神社からは徒歩で5分程度。神社からだとまず、2階がパンケーキのカフェになっている武雄市こども図書館が見えてきて、その奥に武雄市図書館がありました。

こども図書館は18時で閉館していて入ることはできませんでしたが、武雄市図書館はなんと21時まで開館中。大変多くの利用者で賑わっていました。

 武雄市図書館は、10年ほど前にリニューアル開館したとき、市の委託で指定管理者として民間企業が参入するという画期的な運営方法が、賛否両論あることも含めて随分話題になりました。お洒落な外観、内装とともに図書館内にカフェがあってお茶を飲みながら本が読めるという当時では驚くような利用方法がニュースやワイドショーでもよく取り上げられていました。

 以来ずっと一度見てみたいと思っていたので、今回立ち寄ることができてよかったです。

 館内はとても広く、物販コーナーとカフェが手前にあり、その奥や2階に書棚や閲覧場所がありました。図書の閲覧だけでなく自習室も充実していて、この時間にもかかわらず中学、高校生からご年配の方まで幅広い年齢層の方が、思い思いに読書や学習をされていました。

 驚いたのは、こんなに広くていっぱいの利用者がいるのに、館内があまりにも静かなことです。私語をして騒ぐ人などもちろんなく、カフェの食器を扱う音が館内に響くほどの静けさ。皆さん各々の学習にとても集中しておられて、佐賀の方々の知性の高さを感じました。

こども図書館。   その奥に見えてきた図書館。賑わってる!   入り口。
入り口と2階キャットウォークからは撮影可だそうです。

 外に出ると19時前。あたりは暗くなり始めていました。

夕食を摂る時間になりましたが、お昼に佐賀市でがっつりいただいたシシリアンライスや道中で食べたお菓子がまだお腹にたまっていて、軽いものでいいなあという状況。

とりあえず図書館から大きな道を挟んだ向かい側のショッピングセンターに入ってみました。

食品コーナーを見て歩いたあと、ん?フードコートがあるよということで、旅の一日目の晩ごはんはここで各々軽食を食べて終了いたしました(^_^;)

上手く撮れなかったけれど夜も美しい。         ごちそうさまでした(^_^;) 

 

 お腹もいっぱいになり、駅前のホテルまで20分弱、ぶらぶら歩いて帰りました。

2月の夜ということでさすがに少し寒かったけれど、住んでいる関西地方よりは暖かく感じました。図書館から出てきた学生さんたちはコートも着ず制服だけで元気に歩いておられました。 

 

 一日目が終了しました。

万歩計をつけておけばよかったかなと思うほど歩き回りました。天気予報に反して傘も不要でラッキーでした。

旅ではいつもあまり細かすぎる計画を立てることはないのですが、今日も見たいと思っていたものは概ね見ることができました。どの場所も大変素晴らしく、楽しい一日でした。

 明日はレンタカーで有田から唐津まで移動する予定です。お天気は晴れの予報。当たるといいな。では、おやすみなさい。

 

                      (佐賀旅行2日目 に続きます。)